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8月の参禅日記

長い一日であったような気もするし、あっという間の一日だったような気もする。

夕べ、「あっ、御誕生寺に行こう」と思いつき、(数ケ月も前から、その願いはあったのだけど、つい先延ばしにしていた。明日で8月も終わりだし、どこにも出かけないまま夏が終わるのも寂しいなぁと、かけこみ出発!と相成った)、ほんとは朝2番目の電車(始発じゃ早すぎるかと思い)に乗ろうと、目ざましをかけていたのだが、ああんっ、寝過ごして、起きたら朝の9時だった。あわてて、水シャワーを浴び、白のお気に入りのTシャツに、黒のスパッツ、黒に白水玉の前掛けがついた「それどこに売ってんの?」というキュロットを重ね穿き、化粧もせず、そのまま出発。発車10分前を切って、金沢駅到着。緑の窓口には数人の客が並び、わたしのただならぬ血相を見てとったのか、女性駅員が自動券売機に案内してくれる。10時03分、ぎりぎりセーフで乗車。11時21分、福井駅に到着。福井の駅前はちょっとだけ知っており、「ここでお昼にしよう」とねらっていた、安くて美味い饂飩屋は、とほっ、日曜のため休業だった。さて、どうする。福井と言えば「ソースかつ丼」が有名で、駅付近にはそれを食べさせるお店が何軒かあるのだけれど、どーも、「かつ丼」という気分ではない。ドトールにしようかともちょっと思ったけれど、福井に来てまでドトールに入るのもなぁ、と、しばし、悩み、結局、客入りの良さそうな駅前のラーメン専門店に入って、「あっさりラーメン」というのを食べた。駅に戻ると、ちょうど次の乗継電車がやってくる時間であった。11時54分、福井駅、出発。12時21分、武生駅、到着。うー、実のところ、御誕生寺に行くにはどうすればいいか?知らぬまま、ここまで来てしまった。インターネットで、御誕生寺の住所「越前市・・・」と検索した結果の地図を見ると、この武生駅が載っていたので、「ひとまずココに来た」という。うー。我ながら・・・。幸いなことに、駅から歩いて1分もかからぬところに観光案内所があり、そこのご婦人におそるおそる「御誕生寺に行きたい」と申し出たところ、地図を見ながら行き方を探してくれて、(この行為により「最寄駅はココ」と睨んだのは間違いでなかったと判明)、しかし、次のバスまで1時間以上あるとのことで、結局、タクシーに乗り、一路、御誕生寺へ。

まだ新しいだけあり、ちっともお寺の雰囲気がせず、拍子ぬけ。参道の入り口にもまっさら新しいお地蔵さんたちが並んでいたが、こんなに新しいお地蔵さんを目にするのも珍しい!とおかしなところで驚いてしまった。(寺の土地を寄進されて十年ほどだそうだ。家屋が建って4年だったかな? 現在は本堂を建設中)。わたしが御誕生寺にやってきたのは、ここの主、板橋興宗さんに惹かれて、ただこれひとつである。しかし、いきなりお訪ねするわけにもいかず、同寺では「日曜の座禅会」を開催されていることを知り、それに参加しようとやってきたのだ。■座禅会の開始よりはだいぶ早く到着したようで、先に坐らせていただくことに。・・・・・民家のような家屋の、小さな玄関に入ると、一歩でまたげるほどの狭い廊下を通り、座禅の部屋へ。「席はどこでもいいですよ」とのことだったので、部屋のなかで真っ先に吸い込まれるように目についた坐布に座ると、「そこ、禅師様のお席です」と、注意されてしまった。しょぼ、しょぼ。そうであったか。あとで見ると、確かに「興宗」とのお名前がその坐布に書かれていた。・・・・それより3つほど離れた坐布に座っていると、少しずつ、参禅の方も集まり始めたようである。そのまま座り続け、いつしか座禅会も開始。■・・・・・時計の針は急ピッチで進む。はい、数時間後である。座禅会というかたちで禅師と一緒に座わる機会を得ただけでも一生の宝になる体験、さらには、他の参禅者たちも交えた席で禅師と言葉を交わしただけでも感無量であったのに(ホントのことをいえば、生のお姿を拝見しただけで感無量だった)、夕暮れも深くなりつつあるころ、一人残って座っていたら、「お茶を飲みませんか?」と、禅師がお部屋に招いて下さった。(直々に対面させていただけるなんて! これ、ローマ人(庶民)がローマ法王と直にお目にかかるようなものである――とは、喩えが大きすぎるかもしれないが、あながち間違いではない)。1時間か1時間余りはおしゃべりしただろうか。■「変わった人もいるもんだねぇ」と、何度も、禅師は口にされた。最初はよくわからなかったのだが、この変わった人とは、わたしのことらしい。しかし、だよ。わたしは、まだ血にも肉にもならぬ知識を頭のなかで発酵している、その途中のものと、心からの言葉を、いくつか喋ったに過ぎない。だから、こんなわたしを「変わった人」と禅師がおっしゃるならば、これまで禅師のまわりには、つまり仏道の道におられる立場の方たちは、あまりにもマトモ過ぎる、ということではないか?と(帰り道で)思った。■これまで参禅したところ(G舎)で「どうしてもなじめなかったこと」「劣等生であったこと」などを話して、わたしは少し気持ちが救われたかもしれない。またその(G舎の)老師の存在を、「まだ(この世の中に)そんな方がおったのか」と板橋禅師が驚かれていたことを、あらためて考えてみると、G舎というのは、いかに素晴らしく、希少な禅堂であるか、身にしみて分かるのである。■「あんたが男なら、この寺にスカウトしたい」とのお言葉まで頂いて、(ほんの軽く発せられたのだと分かっていても)、ちょっとイイ気になっている今夜のわたしであるが、わたしが欲するのは、尼になるとか、仏道に入るとか、もちろん他者を導くとか、などではなく、ただただ自分が楽になりたいだけなのである。ただただ呼吸することが楽になりたいだけなのである。

鈍行列車を乗り継いで(待ち時間が長かった)金沢へ。アパートに着いたのが24時前。そして、日記を書いている今は、ちょうど26時。ゆうべ、ぽつんと思ったのだけど、「今は虫の音も深まって・・・、しかし、そのうち、ある日気がつくと、虫の音も聞こえなくなるのだよなぁ。そしたらもう冬だなぁ」。

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はえともみ

Author:はえともみ
 
万の風になって、生きる。

ちちんぷいぷい~。
(HSPの自覚あり)
「うつと仲良く! ひきこもりだっていいじゃない」と
開き直って生きてたら
元気になってきました。

→ 近年は、老母の観察メモの
(&それに伴う自身の変化など)
色合いが濃くなっております。
・・・ま、長い人生の一コマですな。

徒然な日々も、留まることはない。
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