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白州さんの語りなど

昨日はアパートに帰ってから、バタンと倒れるように寝てしまい、(人に会うだけで疲労してしまう)、夜も深まってから目を覚まし、朝方になってまた眠り、昼に目ざましの音で目覚めたり、なんどか覚醒したのだが、「なにもかも いやいや」病が発症したらしく、(今、特別に嘆くような原因もないのに)、ずっとずっと睡眠界にいる。寝ているあいだ、幸せな雨が降っていたような気もするし、どこか懐かしい夕暮れを、短い覚醒のあいま、窓越しに見たような気もする。

白州正子と河合隼雄の対談集『縁は異なもの』のなかで印象に残るひとつは、「弱法師」という能から広がる白州さんの語り。――<前略>日想観(じつそうかん)の信仰というものが行き渡っていたわけですね。つまり、昔から四天王寺の西門は、極楽の東門に向かっていると信じられており、彼岸の夕べに、くるめきながら海に入る落日を拝むと、成仏できるという風習があった。そしてほんとうに海の中へ入っていって自殺した人もたくさんあったにちがいない。同じような信仰が熊野にもあります。それは観音浄土を目指す補陀落渡海(ふだらくとかい)の風習です。こういう信仰はとっても残酷なものだと思われているようで、そういう小説をお書きになっている方もあるけれども、私、当時の人はほんとうに信じて喜んで行ったと思うんです。残酷だと思うのは甘っちょろいヒューマニズムですね。〔『縁は異なもの』46~47頁〕■わたしは能に関してまったく無知で、このたび初めて知ったのだけれど、能の舞台では、女の面は真ん中に穴が一つ開いている程度で視界が限られているのに対して、この目の見えない役の弱法師の面は、目の所が全部開いているらしい。つまり、ほかの目の見える登場人物よりも、目の見えない弱法師がほんとうは一番見えている、という意味をもつ仕組み。うむ、深い。■ところで、白州さんと河合さんのお二人が「明恵さん」はスゴイスゴイ魅力的な方であると随所で言い合っているので、わたしも明恵上人に関する本を読んでみたくなった。■以下、白州さんの語り。――でね、明恵上人の一番偉い所はなんだろうってあらためて考えたんですよ。それはやっぱり明恵上人が死にそうになったとき、弟子たちが大変嘆くので、明恵上人がそれにこう答えるんですね。自分がこの世から去るってことは「今日を明日に継ぐにほかならず」って。私、この言葉がやっぱり一番だと思うんですよ。今の仏教の人たちは、生と死のことばっかりしか言わないじゃないですか。そうじゃなくて、永遠の時間というか、生と死が繋がっているというか……。〔同書 206頁〕

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背伸びせず、ゆるゆると日常生活などをつづります

はえともみ

Author:はえともみ
 
万の風になって、生きる。

ちちんぷいぷい~。
(HSPの自覚あり)
「うつと仲良く! ひきこもりだっていいじゃない」と
開き直って生きてたら
元気になってきました。

→ 近年は、老母の観察メモの
(&それに伴う自身の変化など)
色合いが濃くなっております。
・・・ま、長い人生の一コマですな。

徒然な日々も、留まることはない。
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