2017/03/30 (Thu) 四.手紙と日記と言語隠蔽

わたしが「カフカ、すごいな~」と思うひとつは
人との結びつきを維持していることである。

推察されるカフカの性格からすると
「おいらのことは放っておいてくれ」と
どんどんどんどん閉じてしまい・・・
しまいには誰もいなくなる・・・
展開もありそうなのに、彼は家族とも
友人とも恋人とも、波はあるものの
ちゃんとつながっているのだから。

なかでも、友人マックス・ブロートは
彼がいたから「文学者カフカ」が誕生した
ともいえそうな人物なのだけど

カフカは26歳のとき、ブロートの誕生日に
こんな手紙を送っている。

マックス、君への愛情は、ぼくよりも大きくなって、
愛情がぼくのなかにあるというよりも、
ぼくのほうがそのなかに住んでいるよ。

この愛情は、すでにずっと以前から、
君が知っている以上に何度も、ぼくを救ってくれた。

(60頁)

すごーい。文学的才能があるだけでは
こんな手紙書けんだろう。

西洋の昔の男の人は、(ちなみにカフカは
1883年、ボヘミア王国…現在のチェコ…生まれ)
こんな熱い手紙を、友人に書けるのか!?

書けるのかもしれんが、単なる文才だけでなく
ホンモノの深い愛情を感じているからこそ
生まれた手紙だ。

(カフカの手紙や日記って、そのままで一級の文学作品)



このところ、ぼくは自分についてあまり書きとめていない。
多くのことを書かずにきた。
それは怠惰のせいでもある。

しかしまた、心配のためでもある。
自己認識を損ないはしないかという心配だ。
この心配は当然のことだ。
というのも、書きとめることで、自己認識は固まってしまう。
それが最終的なかたちとなる。
そうなってもいいのは、書くことが、
すべての細部に至るまで最高の完全さで、
また完全な真実性をもって行われる場合に限られる。

それができなければ
――いずれにしてもぼくにはその能力はない――
書かれたものは、その自律性によって、
また、かたちとなったものの圧倒的な力によって、
ただのありふれた感情に取って代わってしまう。
そのさい、本当の感情は消え失せ、
書かれたものが無価値だとわかっても、すでに手遅れなのだ。


(73~74頁。カフカ、27歳のときの日記 )

この後、著者は「言語隠蔽」について書かれているのだが
(平たくいうと、「言葉で説明してしまうと真実が消えてしまう」という話)

あまりにも的を得ていて、沈黙。

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「うつと仲良く! ひきこもりだっていいじゃない」と
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