ともみ@ピクニック

グリーンハンド

『漂うままに島に着き』(内澤旬子・著)のなかに
もしかしたら、わたしの未来の助けになるかもしれない
文章があったので、引用メモ 

集落の方々は異様なほどに整然と畑を作り、雑草も丹念にむしる。人によっては法面などに除草剤を使ったりもしているのだった。

蒲さん夫妻は、田んぼを借りて米を作り、鶏を飼い、さらに家の周りの斜面に畑を作っているのだが、いつ遊びに行ってもきれいにしている。きれいと言ってもピシッと整然と並べているのではなくて、ここそこと、境目なく、なんとも有機的に作物が生えているのだ。泥団子農法のように雑草に混ざって作物があるというのともまた違って、作物は作物でかたまっているのだけれど、どこか「自然」でやさしい配置なのだ。庭木を含めてすべてが青々と元気よく茂っている。

最近だんだんと見分けられるようになってきたが、畑にも作る人の個性がでる。雑草一つなく、整然と畝をつくり、同じ高さに添え木を・・・・・・という中でもさらに、「きちんと具合」が持ち主それぞれで違う。ピシッとした畑を見ると、日本的だなあと思う。奇妙な言い方かもしれないが、野菜の生き方に自主性がない。野菜が何か言い出す前に、肥料なり添え木なりビニールシートなりをちゃっちゃと施していく。とにかく毎日毎朝隅々までチェックして、虫なり病気なりの異変をすぐに察知しては排除。そのように手を掛ければ掛けるほど、野菜というものはわりとちゃんと応えてくれて、人間が望む通りに、画一的にして大きく美味しそうな作物になるようなのだった。

化学肥料や殺虫剤などをどこまで使うかも、人それぞれ。

蒲さん夫妻はいわゆるグリーンハンドの持ち主なのだろう。手をかけていないように見えて、野菜たちがのびのびと嬉しそうに生えている。とても好きな畑だ。遊びに行くとどこから畑かわからずに、ときどき植えたばかりの苗を踏みそうになるのであるが。


(内澤旬子『漂うままに島に着き』190~191頁より)

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