ともみ@ピクニック

『魂の退社』-3

稲垣えみ子さんの『魂の退社』から印象に残った文章の一部を抜粋。(改行は省略)。

私たちは自分の人生について、いつも何かを恐れている。負けてはいけないと自分を追い詰め、頑張らねばと真面目に深刻に考えてしまう。しかし真面目に頑張ったからその分何かが返ってくるかというと、そんなことはないのである。そしてそのことに私たちは傷つき、不安になり、また頑張らねばと思い返す。そして、その繰り返しのうちに人生は終わっていくのではないかと思うと、そのこともまた恐ろしいのである。しかし、もしや幸せとは努力したその先にあるのではなくて、意外とそのへんにただ転がっているものなんじゃないか? そう思ったら、会社を辞めるって、意外にそれほど怖いことじゃないんじゃないかと思えてきたのである。(7~8頁)

つまり何かをなくすと、そこには何もなくなるんじゃなくて、別の世界が立ち現れる。それは、もともとそこにあったんだけれども、何かがあることによって見えなかった、あるいは見ようとしてこなかった世界です。で、この世界がなかなかにすごい。つまりですね、「ない」ということの中に、実は無限の可能性があったんです。(104~105頁)

それまでずっと「あったらいいな」と思うものを際限なく手に入れることが自由だと思ってきました。しかし、そうじゃなかった。いやむしろまったく逆だった。「なくてもやっていける」ことを知ること、そういう自分を作ることが本当の自由だったんじゃないか。(110頁)

誰も幸せにならないゴールへ向かってひた走る互助会システム。絶望的なのは、誰かが悪いわけじゃないってことだ。どこかに悪人や敵がいるわけではない。ブラック化する日本を作っているのは、一人一人のちょっとした罪のない欲であり、この苦しい状況を何とか生き残ろうとする努力である。まるで、もがけばもがくほど食い込んでくる罠のようだ。 (176頁)

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