2016/08/11 (Thu) 陛下の「おことば」(3)

戦前の、お上に植えつけられた天皇崇拝と違い
戦後の「象徴としての天皇」のイメージは
マスメディアという媒介も借りながら
陛下ご自身のふるまいと、そのお姿に
心打たれた国民が、自然歩み寄って
培われたところが大きいのだろう。

愛国とか、そういうことじゃなく
一人の人間として陛下を敬うのは
自然な感情だと思う。

(まあ、感情だから、逆に敬う気持ちのない人がいても
仕方ないというか、それはそれでいいのだと思う)

象徴という立場だから、大切なのではなくて
そんな立場を超えても「心から尊敬できる」と
陛下を慕う国民はいっぱいいるのじゃないかしら。


内田樹さんも仰っているが、陛下が国民を
信頼して下さっている、というのが
あの「おことば」から伝わったよな。

(内田さんは、ご自身のツイッターで
< 陛下の言葉が聴き手の胸にしみいるのは、そこに
「国民に対する敬意」と「国民への祝意」がはっきりと感じられるから >
と述べている)


書類に判を押すとか、宮中祭祀とか、賓客応対とか
行事に際しての様々な事前の勉強・・・などなど
各種行事への参加、慰問、見舞い・・・などなど
わたしたちの目に見えないもの、見えにくいもの、見えるもの。

多くの国民が、先の退位にまつわるリークのあと
陛下に(たとえ今ほどのご高齢でなくとも)
これほどの負担を強いてもいいものなのか? と
考えをめぐらせたことだろう。

今まで、両陛下のなさることを、わたしたちは
当然のように享受してきたけれど、それは本来の
陛下の義務を超えた、愛の奉仕を受け取っていたのだろう。


たとえば「書類に判を押す」という重要な仕事であるが
「でも、判を拒むことはできないのでしょう?」と思うと
なんとも、なんとも、お辛いお立場もあらわになってくる。

基本的人権をもたない、人間。

これほど、大変な立場って、ないよね。


最後に、陛下の「おことば」で、わたしが一番
胸をつかれたところをのせておく。

皇太子の時代も含め,これまで私が皇后と共に行って来たほぼ全国に及ぶ旅は,国内のどこにおいても,その地域を愛し,その共同体を地道に支える市井(しせい)の人々のあることを私に認識させ,私がこの認識をもって,天皇として大切な,国民を思い,国民のために祈るという務めを,人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは,幸せなことでした。
http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/12 より)

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