2016/06/28 (Tue) 精神科医の独白本(2)

春日武彦著 『精神科医、占いにすがる』 のなかで
強く共感したことの一部を抜粋。


「人の心模様は、(信じたくないけれども)驚くほど図式的である」という法則は精神科医として仕事をしているとつくづく実感する。話の筋道をうんと簡単に要約してしまうと図式的になるというよりも、人は自分のことに関しては図式的であるという事実が分からないようにできているとしか思えないところが肝要である。そのように心は形作られているのであって、だから自分は特別だと思えたり現実離れした希望を持てたり愚かな振る舞いを繰り返したりするのであろう。(94頁)

そうなんだろうね。

俯瞰で見れば、自分で想像するよりも
はるかにはるかに図式的なのだろう。


精神科医やカウンセラーが患者と行うのは一種の「プレー」なんだな
と思いながら読んでいたら、次のような文章が。

結局、聞き手は相手に心ゆくまで「独り相撲」を取らせるのである。本来、孤独な状態で独り相撲を取っても悩みは煮詰まるばかりだ。見当外れな思考に陥りがちだ。にもかかわらず、行司がいると独り相撲に効果が生ずるところに傾聴の本質がある(そう、カウンセラーや精神科医はむしろ行司に近い立場なのだろう)。そして独り相撲の勝敗は、あるいは独り相撲そのものの滑稽さに気づくことは、それを行う本人自身に委ねられる。(109頁)

わたしはカウンセリングを受けたことはないけれど
「行司」の上手い下手は、たしかにあるのだと思う。
(お亡くなりになられた河合隼雄先生は、類稀な
優れた行司であられたのだろうと想像される)


絶望的なミッションに苦しむのは、もはやわたしの趣味と化している――それだけの話なのである。ちっとも楽しくないが、まぎれもなく趣味に他ならない。わたしの苦しみだか固執だかは、あえて申せば神経症に近いものである。(中略)往々にして神経症を「こじらせて」いるケースでは、症状に苦しみつつもその症状を抱え込んでいること自体に「慣れ親しんだ日常」を感じている。症状とはさっさと別れを告げたいにもかかわらず、もはやその症状抜きの日常が異質なものに思えてしまい、症状に苦しんでこそある種の自然体であると知覚するようになってしまう。症状が腐れ縁になってしまっているとも言えるだろうし、症状あってこその人生が強固に組み立てられてしまっているとも言えよう。(127頁)

このことを、別の場面では
<歪んだ「趣味」>とか<自己憐憫に生きてきた気配もある>
などと言い換えられていらっしゃる著者。

うー。

この数年で、わたしは同傾向をずい分減らしてきたと
自負しており、だからこそ、ここまで元気になったと
言えるのであるが、その渦中にいるときの
「どうしようもない感」というのは、まだ生々しく
思い出されそうである。

だからねー、著者のこんな言い分も
すんごく頷いちゃうのだ。

そう、神経症という病気の特徴のひとつは、癖になりやすいということである。苦しみつつもその病気に「はまって」しまう。ゆえに長引きやすい。そもそも神経症はどんな症状もあり得るという奇怪な疾患であり、どのような症状を示すのかは当人の「こだわり」や心の偏り、想像力、さもなければウィークポイントといったものによって決まってくる。すなわち、その人が内心気に掛けている部分が症状として立ち上がってくる傾向がある。もともと気になっている要素が神経症という装置によってはっきりと形象化するに至るわけだ。となれば、当人は症状を過剰に意識せざるを得まい。病気に取り憑かれたという不条理感にげんなりすると同時に、症状の中に自分らしさとか自分の体臭に似たものを感じ取り、整合性を覚えもする。(130~131頁)

神経症とか病気という表現を使うと
「一部の人のもの」と捉えられがちかもしれないが
誰だって、大なり小なり、その成分はもっているのだと思う。

(わたしだって、精神的な部分をこじらせることが減った
とはいえ、それが完全に消えたわけではない)

でもねぇ、わたしはわたしの経験上、精神的なクセとの
腐れ縁を減らすことの可能性はあるのだと知っている。

余計なお世話だが、春日さん(著者である、占いにすがった
精神科医さん)は、ヒプノセラピーを受けたり、ヘミシングによる
異次元体験をなさってみてはいかがだろうか?

何の変化もない、かもしれないが、もしかのもしかして
決定的な変化が彼のなかに起きるかもしれない。
(そしてその体験本を、わたしは読んでみたい)

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(HSPの自覚あり)
「うつと仲良く! ひきこもりだっていいじゃない」と
開き直って生きてたら
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