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「心は自分ではない」byお釈迦様

しばらく前に読み終えた本だが
名越康文さんの
『どうせ死ぬのになぜ生きるのか』は
仏教を現在(いま)っぽく伝授する
良書であった。

名越さんの、あの柔軟で
スピリチュアルな感性の奥には
仏教があったのかぁ~と膝を打った。

気になったところを、少し引用したい。


例えば精神分析であれ、近年の神経生理学に基づいた心理学であれ、僕らはある安定した心の状態を取り出してそれを「正常」として捉え、そこから外れた状態を「異常」あるいは「病」として理解しています。この考え方は、現在の精神科医療でも基本です。

ところが仏教は「異常」や「正常」といった捉え方をしません。「瞬間ごとに変化し続けている」以上、病んだ人の心も、健やかな人の心も変化し続けているという点では変わらないと考えるからです(逆に言えば、仏教的な観点からいえば、現在に生きるほとんどすべての人の心は病んでいる、ともいえます)。

どれほど平静に振舞っているように見える人であっても、悟りを開いた聖人でもない限り、心の中では片時も収まることのない嵐が吹き荒れています。僕らの心は瞬間ごとに「正常」と「異常」の間を常に、瞬間ごとに行ったり来たりしている。きちんと社会に適応して生きている人であっても、心を病んだ人であっても、その事実そのものはそれほど変わらない。これが仏教の「心」の捉え方なのです。


―― 68頁


それは僕らが「自分の心」と「自分自身」とを同一視している、ということです。僕らが自分の心の揺れを認識できないのは、僕らが「心」というものを「自分自身だ」と強く思い込んでしまっているからなのです。(中略)現代人の多くは「自分の心、あるいは感情の動き」と「自分自身」とを当たり前のように同一視しています。しかし、仏教では、「自分の心」と「自分自身」とは別のものだと明確に定義しています。

(中略)

世の中には「感情的であるほうが人間らしい」という価値観が当たり前として定着しているように見えます。(中略)こうした傾向のなかで、僕らはどんどん「感情に甘く」なり、「感情と切り離された自分」を想像することが難しくなっているのかもしれません。(中略)お釈迦様はそうやって悩む人々に<「あなたの心」は「あなた」ではないよ>ということを説いたのです。「心は自分ではない」。このことは心理学としての仏教が到達した革命的な知見であり、二千五百年前のインドでも、現代の日本でも、変わらず人々の固定観念を覆すインパクトを持っているということだと思います。


―― 70~72頁

(『どうせ死ぬのになぜ生きるのか』より)


ひとつ下に続く


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Author:はえともみ
 
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(HSPの自覚あり)
「うつと仲良く! ひきこもりだっていいじゃない」と
開き直って生きてたら
元気になってきました。

→ 近年は、老母の観察メモの
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