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春の所感

4月26日

パート 1

今、隣家の庭は、春の花のさかりだ。基本的には「日本庭園」なのだけど、住まわれている方の趣味なのだろう、肩肘はらず、伸びやかな感じで、花木が植えられている。よく見かけるが名前の知らない背の低い白い花、エニシダのようにも見えるがはっきりとはわからない黄色の枝花、中程の距離のところには色とりどりのチューリップと、ムスカリらしき紫が辺りを覆う。そして、日に日に目立ち始めたのが、サツキの蕾。先週アパートに戻ってきたときはわかるかわからないくらいの蕾だったのが、今週になり、確実に大きくなっている。早い花が咲くまでにあと十日ほどだろうか。そして、用水路から流れこむ水場のわきに植わっているのは、たぶん、アヤメだと思うのだけど、これはあとひと月後くらいのお楽しみか。なお、金沢は水に恵まれた都市であるが、隣家のように、一般家庭に用水路の水が流れ込んでいるというのは、昔日の名残であろう。

パート 2

つい先ほど、ラジオJ-WAVEのなかの人(YO-KING さん)が、兼六園にある、現存する日本最古の噴水の話をされていたが、(機械を使っていない、高低差のエネルギーで吹き上がる噴水のこと)、そこから思い出した、兼六園話を少し。

先ごろの兼六園散歩で、親父様は「昔はこんなに園内に桜の木はなかったなぁ。桜の木は決められた一角に植えられていただけだった」と述べておったが、そういわれてみて、うん、なるほど。と、わたしは思った。兼六園のような庭園に、桜の木は似合わないのである。これは素人のわたしでも感じることだ。もちろん、桜の満開な時期には、その薄い花びらの可憐さを楽しみこそすれど、実はそれはこの日本庭園でなくても楽しめることであり、大量の桜の花がこの地に植えられている意味はほとんどないように、わたしは感じた。ひと目をひく可憐な花の大群がまわりの庭園となじんでいるかといえば、どうも、そうとはいい難い感もある。本来、兼六園という庭は、桜を植えることを前提として作られた庭ではないのだろう。たとえば、隣家の庭のように、かつての名残を残しつつ、今住む人の好みにあわせた洋風な(というか、日本庭園の基本を崩した)造りをしていくのも、それはそれで素敵なことであり、新しいよさ、というものを生み出しているのだろうけれど、どうも、兼六園の桜は、いただけない。そんな思いが残る。わたしにとって。

間もなく、日本列島の桜前線も、北海道に上陸するのであろうか。「日本の代表的な花は桜」と思うのだけど、はたして昔から、こんなにも日本中が桜で覆われていた~日本全国どこに行っても、沿道には桜の並木、公園には桜の大群、という風景がある~のかと考えると、わたしは傾げた首をもとに戻せなくなる。ちゃんと調べたわけではないのだけれど、現代の日本桜事情は、「桜狂」を自覚する日本人(地方公共団体)が、高度経済成長時代に「道路」を作ろう「ビル」を作ろうとしたノリの延長で、戦後の数十年かの間にだっだっだっだっだ~と植えたところに負うものが大きいのではなかろうか。(そんな想像上の桜事情に、横並びの「町おこし」風なあさましさを見てしまうわたしの心は、なんと、醜いのだろう)。

もちろん、わたしは沿道の桜並木も、公園の桜の大群も、大好きだ。ただ、兼六園の例があろうように、本来は似つかわしくない場所にまで、今や日本の土地はどこもかしこも桜の木が植えられている、(だって桜のない公園なんて、春先、みんなに「そっぽ」を向かれちゃうもんね)、そのことに対する悲しさは、ある。という話だ。日本人の自慢をあげるなら、いわゆる桜の名所だけでなく、山里にぽつんと咲いた老桜の花をも、愛せる気持ちをもっている。という答え方があるだろう。そう、日本中が桜の名所になってしまう必要はなかったのだよ、本来、この国は。だって、「ぽつんと咲いた老桜」を愛する心を、日本人はもっているのだから。

もちろん、桜の木には一本一本物語があるはずで、わたしがここで呟いていることは、実に大雑把な所感に過ぎない。

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はえともみ

Author:はえともみ
 
万の風になって、生きる。

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(HSPの自覚あり)
「うつと仲良く! ひきこもりだっていいじゃない」と
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