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自らの息子がオウムに入信し、脱会活動を開始。息子は願いどおりオウムを脱会するのだが、その後も精力的に活動を継続。そして地下鉄サリン事件後は、幹部信者に会うため拘置所に足を運んだり、オウム犯罪に加わった信者の親と一緒に裁判を傍聴している。でも、他の多くの信者の親たちと決定的に違うのは、自らもオウムによって命を狙われた経験があるということ(息子の脱会後もオウム信者の脱会活動を行っていた彼は…坂本弁護士が殺害されたのと同様の理由で、麻原にとって邪魔な存在だったのだろう…、ある日背後から注射器で毒ガスをかけられた。その毒性はサリンよりも強いもので、病院では99%助からないあるいは残りの1%は植物人間になると診断。それが、製造不良の毒ガスであったのか、かけられた場所が致命傷になるのを救ったのか、彼は奇跡的に助かった)。

その男性は89年に、「オウム真理教被害者の会」を結成している。サリン事件後に「オウム真理教家族の会」と名称変更をしたが、(『A3』の取材時も)会長としての務めを果たしている。

男性は、麻原のことを「かわいそうだなという思いはある」と、その妻は「哀れ」と言い表わしている。(これだけでは全部の意味が伝ないな。『A3』のなかではもっと長い文脈のなかで使われている。が、これだけでも意味を要約できてはいるだろう)。

普通なら「息子がオウム信者であった」事実は隠したいだろう。ましてや、息子はすでに教団を脱して、職を得、結婚、子供ももうけている。この平穏な生活をそっとしておきたいとの思いから、とっくに会から離れていてもおかしくないのに、いまだ活動を続け、信者の親たちの支援もしている。そして繰り返し言うが、彼は個人的にオウムから命を狙われた被害者だ。

彼や妻の行動の背景には、「一歩事情が違えばわが息子も犯罪者となる可能性があった」という思いがあるのだろう。

彼は獄中にいる幹部信者(自分を殺そうとした信者たち)をも、被害者であると認識するにいたり、彼らの死刑判決に異議を唱えているという。そのことを承知のうえで、森さんは、この夫妻と会う前、夫妻にとっても麻原だけは「絶対的な加害者」という座標軸の原点はゆるぎないだろうと想像していた。しかし、その想像は裏切られる。

「確かに何年か前までは、麻原ぶっ殺してやるって、頭の中はそればっかりでした。でも最近は、麻原さんだけを悪い奴にしてそれでよいのだろうかと思うようになってきて。例えば事件前の警察の動き、行政の対応、メディアの報道、これら全部ね、今は知らない顔をしているけれど、むしろそちらのほうに腹立たしさを感じるんです。私はもう今の段階では、麻原さんよりもっと罪深いのは行政だという思いがありますよ」『A3』379頁

わたしは、この彼、そして妻に、とても興味がある。(そのことに触れたら、まだまだ長くなるので止める。ただ彼らの生き方や発言は人としてとても大切なものをみせてくれるとメモしておこう)。

罪を憎んで人を憎まず。という言い回しがある。「でも、オウムは特別だろ。麻原には当てはまらないよ」これが人情なのだろうとわたしにもわかる。けれど、これは、やっぱり違うんだよなー。第一これは正義じゃない(正義が大切なものかどうかは知らんが)。単なるエゴだ。犯罪者に憎しみのエネルギーを向けてもなんらいいことはない。社会的憎悪をもつことは社会自身をむしばむ。そして、ここで「社会」を「個人」に換えても同じことがいえる。

このファイルで書きたかったこと。

悪とはなにか。

怨むこと。裁くこと。

死刑制度のこと。

もしかしたら怨みの感情は許しのために存在するのかも。

その辺のわたしが思うことを

(わたしは死刑制度がなぜあるのかわからない。死刑で人を裁くことなどできないからだ)

う~ん、書こうと思っていたのだけれど、ちょっと今は力尽きてしまった。またいずれだな。

(というか、一生かかっても書ききれないテーマではあるが。ま、そのさわりとして)

ちなみに、『A3』などの著者である森達也さんが寄稿している

ダイヤモンド社のサイトにある
「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と書いた人に訊きたい
http://diamond.jp/articles/-/16819

“殺された被害者の人権はどうなる?”このフレーズには決定的な錯誤がある
http://diamond.jp/articles/-/15954

を読みたい、読もうと、思っているのだ。



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

2017年8月某日、この記事が
なぜかは分からぬが
1970年1月1日付でアップされて
いることに気づいた。

更新日時を(当初予定していただろう辺りに)
変更します。


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背伸びせず、ゆるゆると日常生活などをつづります

はえともみ

Author:はえともみ
 
万の風になって、生きる。

ちちんぷいぷい~。
(HSPの自覚あり)
「うつと仲良く! ひきこもりだっていいじゃない」と
開き直って生きてたら
元気になってきました。

→ 近年は、老母の観察メモの
(&それに伴う自身の変化など)
色合いが濃くなっております。
・・・ま、長い人生の一コマですな。

徒然な日々も、留まることはない。
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