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12月29日 昼に金沢を出て、Mさんの叔父ちゃんのお見舞い。フロアーにたどりつき、廊下を歩いていると、なんともいえない悲しみ方面の感情に襲われる。(あれは眠っていた記憶がぐずついたの? あるいは現在ここに居る人たちの思いが無言のシグナルとなりこの身にやってきた?)。けれど感傷に落ちるのを一度ぐっとこらえると、案外、人って平気でいられるらしい。ただ、病室に入り、叔父ちゃんの顔を見ると……、わたしの中で、何かが、どこかが、シャットダウンした。夜になる前に実家へ。

12月30日 朝ご飯を食べ、お祖母ちゃんとT子さんの所へ。お節作りをしていたT子さんの手を止めさせ3人で茶飲みをしていると、近所の餅屋さんが配達にくる。お餅大好きなお祖母ちゃんのそわそわした様子を察して、T子さんが早速、黒砂糖餅を焼いてくれる。ふ~ぅ。おいし~い。(家に帰り母にこの話をすると、「お土産ないの? おばあちゃんったら、気の利かない!」と、思いがけない母のいじけ様。よほどお腹が空いていたのか、黒砂糖餅が懐かしかったのか。くぅ。77歳の娘が95歳の母親をなじるのだから、ほんと、人間っておかしい。頂物の高級レトルトカレーの昼食を食べ、TV『坂の上の雲』を観ながらコタツで横になっていると、「すぐに来て」の電話。パニック。母とあわてて病院に駆けつける。この日、真っ赤な夕日。日が暮れて、いったん家に戻る。夜遅く、息を引き取った電話が入る。

12月31日 昨晩の話。ほんの数時間前まで血の流れていた叔父ちゃん。もう、その表情を変えることはない。亡くなる前、「ありがとう。ありがとう」と、叔父ちゃんは言っていたそうだ。誰もがさいごは、あっちに逝かなくてはならないならば、妻、息子家族、娘家族、皆に囲まれて、まわりに感謝の言葉を表わしながら旅立つなんて、幸せな逝き方だと、わたしは思う。そして本日。病院経由Mさん宅から戻ったのが朝の3時半頃だった(?)ので、ちょっとだけ寝坊しようと思ったが、手伝いの要請があり、午前中からMさん宅へ。田舎ではこれからしばらく精進料理の生活となる。Hちゃん、Hさん、わたしの3人で台所に立つものの、みな、自信が無い。叔母世代は我等の手際の悪さに驚くが、「普段、あらたまって精進料理なんて作らないもの。ましてや、お客様にも出すと思うと・・・」が我等の本音。

1月1日 お雑煮を食べ、汽車とバスを乗り継いで、Mさん宅へ。この寒さのためか、池の鯉が(きのう?おととい?)数匹昇天していたのを、TちゃんとHちゃんが雪積もる庭に生める。わたし、うろうろ。今日は来客が少なそうだし、姉が甥っ子たちを連れてお焼香に来たのに便乗して、昼、実家に戻ることにする。(お手伝いはしたいけれど、Mさん宅も家族だけでいられるときは家族でいたほうがいいと思い)。母の待つ実家へ。簡単なお節料理を食べ、祖母宅へ。山口からやってきたY君、Cちゃん、毎度のかわいさ。甥っ子たちは早い夕飯を食べ、自分家に帰っていった。

1月2日 焼き餅を食べ、Mさん宅へ。こんな機会だからこそ、あらためて感じることも多い。叔父ちゃんの病気が分かり1年弱。以降、TちゃんとHちゃん(=叔父ちゃんの息子と娘。わたしのいとこ)は、それぞれ神奈川と愛知から一週間おきの帰省、ここ数ヶ月は毎週帰省していたようだ。それだけでも(それぞれサラリーマンとして社会の一線で、小さな子供をもつ主婦として活躍し)大変なのに、叔父ちゃんの亡くなったあと、彼らは、悲しみに沈みこまず、こんなときでも周囲への気遣いを忘れない。すごく立派だ。かつて父を見送ったときのわたしは、ただぼーっとするだけで、まわりの人たちを思う気力なんてゼロだった。台所仕事も全部、叔母たちに任せていたっけ。今、Tちゃんは喪主として(そして新しい家長として)田舎のいろんなしきたりにのっとり仕事をし、Hちゃんは、台所仕事、買い出し、子供の世話などなどに加え、わたしを含めた親族たちにもとても気配りをしてくれる。こういうとき「言葉だけ」の人っているけれど、Hちゃんはそうじゃない。常に真心のこもった言葉をかけてくれるのだ。これは身についたもの。もう、脱帽である。

1月3日 今冬は大雪だ。という前ぶりはどこへ。ま、それなりの積雪はあったものの、このお正月、思ったほどの雪ではなかった。おまけに今日は青空が広がっているではないか。今日は叔父ちゃんが自宅を旅立つ日。(31日に一緒にお焼香をしたIさんがのちに語ったという話。「いましたね。足元のほうに」。そ、そうか。そうなのか。やっぱ、そういうもの? この事実と、今まで知らなかったIさんの才能、二重の衝撃だ!!)。たまたま納棺の儀は(わたしが遅く行ったので)真横で見ることになる。まさに映画『おくりびと』である。旅立ちの装いになった叔父ちゃんには、愛用の白衣の上に青い実の金柑、趣味のスケッチブックと筆などが、添えられた。そして夜、お通夜。

1月4日 たぶん、わたしだけじゃなく、いとこたちも皆、思っていること。これまでは近親者の死といえば、たいがい祖父母世代のものだった。(わたしが物心ついて最初に体験した「死」は曽祖父の。次いで曾祖母。その後もいくらか近親者の死はあったけれど、それらは祖父母世代のものであった)。ところが4年前の冬にはわたしの父、2年前の冬にはH(母の弟)、そして今回はMの叔父(母の下の妹の配偶者)と、続き、いよいよ自分たちが「そういうポジション」に入ったのだと、嫌でも気付かされるのである。昨日と一転のお天気、朝の汽車のなかから雪が降り始め、葬儀の終わるころには幾分も積もっていた。初七日の法要を終え、T子さん、母と、汽車で帰宅。着替えを済ませたあと、お祖母ちゃんの顔を見に行く。今年、歳女なんだよねー、お祖母ちゃん。

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背伸びせず、ゆるゆると日常生活などをつづります

はえともみ

Author:はえともみ
 
万の風になって、生きる。

ちちんぷいぷい~。
(HSPの自覚あり)
「うつと仲良く! ひきこもりだっていいじゃない」と
開き直って生きてたら
元気になってきました。

→ 近年は、老母の観察メモの
(&それに伴う自身の変化など)
色合いが濃くなっております。
・・・ま、長い人生の一コマですな。

徒然な日々も、留まることはない。
すべてがいとおしい。だから書く?

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